大山 千広 | TOP ROOKIE 2019|ボートレース

TOP ROOKIE 2019

chihiro oyama 4885大山 千広

3周2マークまで
しっかり前を追いかけます!

Information 2018年3月現在

  • 生年月日:1996/2/5
  • 支部:福岡
  • 出身地:福岡
  • 身長:161cm
  • 体重:48kg
  • 登録期:116
  • 級別:A1
  • 血液型:O

大山 千広 選手の Special Movie

水神祭記録

レーサーズ図鑑

初出走
2015年5月12日~ ボートレース福岡 一般
初1着
2016年4月30日~ ボートレース若松 G3
初優出
2016年11月6日~ ボートレース琵琶湖 一般
初優勝
2017年9月1日~ ボートレース福岡 G3

Q & A

Qトップルーキーに選ばれていかがですか?
A今まで私が見てきたトップルーキーの方々は皆、憧れで強い人たちばかりなので、私も若手を引っ張って行けるようなレーサーになりたいです
Qレース前のルーティーンはありますか?
A特になし
Q同世代でここは負けない!というところはありますか?
Aモチベーション
Qリラックス方法をおしえてください。
A緊張はするけど、最後は失敗していいじゃないか勉強だと思う。
Q今後の目標を教えて下さい。
ASGで活躍すること

大山 千広 選手の
ここがすごい

いま、最も旬な
スーパーレディースルーキー

なんといっても、昨年の最優秀新人選手である。女子では、平山智加、平高奈菜に続く3人目の受賞。平山と平高のその後の活躍ぶりを見れば、大山の未来は約束されたものとも言えよう。

母はレディースチャンピオン優出歴もある大山博美。デビュー時は、初の“母娘レーサー”として話題を集めた。ただし、決して話題先行の新人というわけではなかった。初勝利までは時間がかかったが、2年目から素質は花開いていく。3年目にA2級に昇級すると、18年には一気にブレイク。1着数や優出回数も増加した。

ファンを驚かせたのは、9月のヤングダービーだ。このプレミアムG1には女子7人が参戦していたが、そのなかで最もキャリアが浅かったのが大山千広。いや、出場選手中登番が最も若かったのだから、出場メンバーのなかでは圧倒的に“新人”であった。そこで大山千広は堂々と予選突破を果たすと、準優勝戦でもひるまずに攻めて、中村桃佳との2番手争いを制して優出を決める。これがヤングダービーでは初の女子選手優出で、それをSGやG1での実績がある先輩レーサーではなく、デビュー3年ほどの若手が成し遂げたことは大いに話題になったのだった。

11月の児島では、もともとあっせんが入っていた母がシリーズ前に引退、代わって追加あっせんを受けた大山千広が優勝を果たすというドラマもあった。G2レディースチャレンジカップでも優出を果たし、残念ながら4着に敗れて女子賞金ランクは13位にとどまったが、クイーンズクライマックスまであと一歩のポジションまでのし上がったことは証明した。もはや女子トップグループに食い込んできていると言っていいだろう。A1級になった19年、どこまで強くなるのか楽しみだ。

TOP ROOKIEの横顔

新技は、
意識と練習から生まれる

平成30年優秀選手表彰式典で『最優秀新人選手』に選ばれた大山千広は2世レーサーである。2018年10月に引退した母博美さんの背中を見て育ってきた。

「小学生の頃から選手に憧れていました。カッコ良かったんです、母が。競走の世界にいるのに家事を一生懸命やってくれて…」。

そんな母は、選手への道を歓待しているわけではなかったが、大山千広に迷いはなかった。養成所には1回で合格。目指す道をまっすぐ進んできた。2015年5月にプロデビューしてからも同様で、2019年前期まで一度も勝率を落とさずA1に昇格している。2017年に初優勝すると、2018年にブレーク。V3として文句なしの最優秀新人に輝いた。

大らかな人柄に加え、強さと手堅さを両立したレースぶりでファンの心をつかみ、2019年3月の児島レディースオールスターは1万7893票を得てファン投票1位。5月のボートレースオールスターも歴戦の雄を向こうに回し、上位でSG初出場を決めている。いまや、実力も人気も折り紙付きのルーキーであることに異論をはさむ者はいない。

多くの若いファンが言うように、「街ですれ違ってもレーサーと気づかない」自然さがありながら、やはり雰囲気はどこか常人とは異なる。時折見せる遠い眼差しで何を見ているのだろう。気になって聞いたことがある。

大山は「ターンを磨きたい」と語った。そして、「究極のスピードターンを身につけたいです」と言い、続けて「それにはボートをいかに安定させるかがカギだと思っています」と教えてくれた。「どんな状態でもボートを安定させられるようになりたいんです。難しいと言われている福岡や江戸川やびわこで、うねりや波風があっても舟を安定させて旋回できるようになることが目標です」と語ったのだ。

難水面から逃げていない。むしろそれを克服しようとしているのだ。無限の可能性への挑戦である。事実、大山は先輩や仲間と一緒に技術を磨く合宿をするなど、豊富な練習を積んでいる。夢をカタチにする実行力でも勝るのだ。競技者としての資質=ポテンシャルが秀でているだけではない。

長年、選手を取材していると、「モーター力で負けたから整備調整に取り組む」のは分かるが、「ターンスピードや操縦技術で敗れたのに、プロペラ調整する」のは違うのではないかと思ってしまう。エラーした野球選手が、ノックも受けずに道具磨きをしているようなものだ。ターンで負けたらターンの練習が本筋ではないか。

大山千広は「今は、課題の90%がターン」と言い、そのためひたすら研究と練習に励んでいる。可憐でありながら芯があり、大らかでありながら凛として見える理由だろう。

そして驚くべきは、デビュー間もない大山千広の可能性を見いだし支えるファンの先見性である。

大山 千広 選手のこのレースがすごい!2018

2018年児島G3 オールレディース第30回瀬戸の女王決定戦最終日 優勝戦(11月9日)引退した母からバトンを受けて劇的V

もともとその資質は高く評価されていたが、ヤングダービーで女子選手初の優出を果たしたことで、大山千広への期待はさらに高まった。大山も勢いに乗り、その次節は予選7走と準優はオール1着。さらにその次節の津では優勝している。その勢いの加速度をさらに高めたのは、11月の児島オールレディースだ。

このシリーズには当初、大山千広はあっせんが入っていなかった。出場予定選手の欠場があり、大山は追加あっせんを受けて出場したのだ。欠場したのは母の大山博美。欠場の理由は、現役引退であった。母からバトンを受けるかたちで児島に乗り込んだ大山は、母の思いも背負って快走を見せた。オール3連対で予選を突破すると、優勝戦は1号艇に。長嶋万記や海野ゆかりといった強豪レディースを向こうに回し、大山はトップスタートで逃げ切って優勝を果たした。麗しき母娘のリレーとなった劇的V。大山にとって忘れられない優勝となっただろう。