ボートレーサー養成所では、同期118期では首席の成績。デビュー2カ月で初勝利をあげ、デビュー4期目には6.00の勝率をマーク。デビュー3年目にはA1級昇級。東都の逸材として早くから注目を集め、またその期待に応えて成長してきた超有望株である。
　初A1級昇級時には壁にぶつかり、いったんはA2級に降級しているが、1期でA1復帰を果たすと高いレベルでの安定感を見せて、すっかりA1級に定着した。2019年には最優秀新人のタイトルも獲得。今後ますます前進が見込まれている。
　武器は切れ味鋭いハンドルワークから繰り出す差し、まくり差しだ。まくりを多用するタイプではないが、ターンスピードは抜群で、果敢に握って艇団を割っていく走りは迫力十分。2コース差しで巧みに抜け出したかと思えば、アウト筋からの豪快なまくり差しで突き抜けていく走りも見せる。2021年は記念に定着して、さらにそのスピードを進化させたいところだ。

令和元年の最優秀新人・宮之原輝紀選手はボートレーサー養成所118期生。リーグ戦の勝率は8.12を記録した。当時の教官は、宮之原輝紀をして「超エリートタイプ」と語っている。つまり素質があるのだ。教えなくても何でも出来てしまう若者はどの世界にもいる。細かな技を自然に使うことができる逸材は「大型新人」として期待され、期待に応えてきたのである。
しかし、志やプロセスが存在しないわけではない。むしろ自戒的に自らを省みるようなところがある。
「トップルーキーに選んでいただいたことに感謝し、自覚をもって一走一走頑張ります」と真摯に答えている。現状に甘んじることなく、自らを磨こうという決心である。
それは特に最優秀新人に選ばれてからより顕著になった。「自覚」が芽生えたのだ。
元々ポテンシャルが高いだけに、これに向上心がともなえばどうなるかは自明である。
目指す「スピードを持ったレース」で記念戦線の強豪を破る日は決して遠くない。