デビュー節で初勝利。デビュー3カ月で初の準優進出。デビュー9カ月で初の優出。近年の新人としては、かなり早い。当初から、そのポテンシャルと将来性を認められた。デビュー2年目にはフライング禍でやや足踏みするも、その枷が外れるや一気に成績を伸ばしてA級昇級。期待に違わぬ成長ぶりを見せてきたと言っていい。
武器は果敢にして激しい攻撃力。差しも決して苦手ではないが、思い切ったまくり、スピードあるまくり差しが魅力だ。またA級昇級後は1着時の決まり手＝抜きも少なくない。デビュー2年9カ月で果たした初優勝の決まり手も抜きだった。道中も決してあきらめることなく、攻撃的に走るのだ。それが実って、20年前期はついに初のA1級昇級。スタート力にも磨きがかかって、さらに攻めるレースを見せてくれるはずだ。今後は記念レースへの登場も増えると思われる。先輩にも怯まず攻めまくってほしい。

上田龍星は2015年11月に住之江でデビューした117期生である。そのシリーズの7走目、6コースから抜きあげて水神祭を飾った。養成時代の勝率は7.39。7.71の吉田裕平に次ぐ成績を残している。
ピットで目立つタイプではないため、ややもすれば伏兵のように扱われがちだが、実力は確か。その力が発揮されたのが下関だ。2018年8月末、2号艇で優勝戦に臨んだが、ピット離れで完全に後手を踏み６コースを余儀なくされそうになった。…が、しかし「大外は厳しい」と即断。3コースにもぐりこんだのだ。そして、1マークは握りマイ。逃げるイン選手の外側につけてチャンスを伺った。初優勝目指し、1周2マーク＆2周1マークと攻めるもあと一歩及ばず。不発に終わるかと思われた2周2マークで差しが決まり並走。初の栄冠を手に入れることになった。「苦しい場面もありましたが、モーターも出ていたのであきらめずできてよかった…」とレース後、静かに回顧している。
年が明け令和2年1月、下関と戸田のルーキーシリーズで連覇。トップルーキーの面目躍如を果たした上田龍星。大言壮語はないが、レースは醍醐味に満ちている。