初めてA1級に昇級したのは2018年後期。その級別審査期間に期別勝率を約1.60も引き上げて、一気に飛躍を見せた。優出も増え、デビュー初優勝も果たしている。これが2019年は前期後期ともにA2級。やや停滞とも見えた。しかしそうではない。ともに勝率6点台を残しており、わずかにA1ボーダーに届かなかっただけ。そして20年後期はA1級復帰。ここ2年、実に安定した好成績を残しているのだ。
初A1級となった頃には、センターからの強攻が目を引いた。それが次第にまくり差しも増え、戦法に幅が出てきている。4～5コースからの勝利も少なくなかった。近況目を引くのは、1コースの信頼度だ。1コース1着率はSGクラスにも匹敵するほどで、取りこぼしはほとんどない。つまり、まさにオールラウンドの走りを見せており、これにさらに磨きをかければさらに上昇気流に乗ることだろう。狙うはびわこのエース！

滋賀支部の馬場貴也支部長から教えてもらった。「松山将吾選手は真面目で何ごとにも真摯。言ってみれば、研究心が旺盛でものごとを突きつめて考えるタイプだと思います」。さらに、「それにセンスが伴っているのでとっても楽しみです」と評価が高い。そのセンスの裏付けは「守田俊介さん…」。面倒見のいい守田俊介選手はいろいろな面で後輩から信頼されているが、馬場支部長もそのひとり。「僕が出てきた時よりも松山選手はずっとインパクトがあると思います。今は浮き沈みもありますが、きっと躍進してくる若手です」と強調した。心強い。
その推奨のとおり、聡明でありながら人懐こいところがあるのが長所だろう。選手紹介やオープニングセレモニーで接する機会があれば、自然に応援したくなる。
デビュー当初、「将来はSGに出場し、賞金王を獲得したい」と力強く決意を語った114期生の松山将吾。滋賀支部の先輩諸氏が築いてきた『スタイルを極める』精神を継承し、自前の走りを研究し構築するに違いない。