勝負の前のゲン担ぎや、勝負の後のご褒美に。「ここぞ」のための食事がある! ワタシの勝ちメシ 大山千広選手

おいしいものを食べることは生きる楽しみになっている

レース場に入る前によく食べるものはありますか?

減量を考えているときは自分でスープを作ることもありますが、焼肉を食べることが多いですね。レーサー仲間にはタンとかハラミが好きな人が多いのに、わたしはがっつり、サーロインを食べたりします。肉を食べると元気が出ます。頑張ろう!って気持ちになれるんです。

友人たちと焼肉を楽しむ大山選手。

それはまさに勝ちメシですね。大山選手にとって食事がもつ意味は大きいですか。

けっこう大きな位置を占めています。食べることにはそんなに執着していないレーサーも多いんですけど、わたしは一日ずっと、「お昼は何を食べよう、夜は何を食べよう」って考えながら生きているので(笑)。レース場にいるときも、終わったら何を食べようかというのは2日前とかから考えています。それもだいたい焼肉なんですけどね。前泊、後泊するときはみんなと食べたりするし、レース場の近くの街でどこのお店がおいしいかは、焼肉に限らずレーサー間で情報共有しています。おいしいものを食べることは生きる楽しみになっています。

「食べることが好きなんです」と目を細める。

体重は気にする必要がないんですか?

体重を増やさないためにどうすればいいかはすごく考えています。わたしは筋肉がつきにくい体質なので、食事の最初にたんぱく質を摂るようにもしています。長めに半身浴をしたり、体重が増えてきたら2、3日食事をセーブしたりもしますが、できれば食べることは控えたくない。好きなものまで食べないようにしていたらストレスになるので、レースに行く前にはとくに食べたいものを食べるようにしています。

体とレースのことを考えたスープと納豆

スープもよく作るんですか?

野菜を多く摂りたいときなどに作ります。和風のスープとか、豆乳を使った坦々スープとかも作りますが、いちばん好きなのはトマトスープですね。ズッキーニや人参、鶏肉などを入れます。2日分くらい作ることが多いので、2日目にはチーズをのせて味を変えたりもします。

手作りのスープ

宿舎での食事はどうでしょう。

バランスよく、いろんなものを食べるようにしています。そうすると、つい量も食べちゃうんですけどね(笑)。このあいだも「ちーちゃんがいちばん食べてたよ」と言われました。宿舎で毎日、食べるのは、納豆にキムチと卵の黄身を入れたものです。それをご飯にのせると、それだけでおなかいっぱいになるので、ご飯にはのせません。たんぱく質が摂れて、おなかが満たされやすいし、やっぱりパワーが湧いてくる気がします。

食べることが好きだからこそ、体重管理にも工夫が光る。

お母さんがレーサーだったことは、食事に関する考え方に影響ありましたか?

ああ~、どうでしょう。レースに行ってることが多かったので、母の手料理を食べる機会はたしかに少なくはなっていました。でも、家にいるときは、朝から凝った料理を作ってくれていたんです。油ものとかはあまり作らず、健康を考えたメニューになっていたので、そこで学んでいたことはあるかもしれませんね。

フルーツとスイーツも大好き!

焼肉以外に好きなものはどうですか?

嫌いなものがあまりないんですよね。前のレース期間中には、数少ない苦手が克服できたんですよ。スナップエンドウなんですけど、他のひとがおいしいおいしいって毎日食べてるので食べてみたら、おいしかったんです。スナップエンドウがおいしいというより、つけているマヨネーズの味なんですけどね(笑)。……好きなものだと、フルーツですね。イチゴとかマンゴーとか、フルーツは全部好きです。

レーサー仲間とイチゴ狩りを楽しむ大山選手。

スイーツは?

大好きですね! シメには絶対、食べます。食べすぎたあとにはアレですけど……、食後にそんなに多くないスイーツを食べる分には血糖値への影響も少ないようなので、ちょっと満たされるくらいならいいんじゃないかなって思っています。

好きなスイーツは?

昔はチョコ一択だったんですけど、最近はピスタチオにすごいハマってるんです。ナッツとしても食べるんですけど、ペーストにしてあるものとか、ムースとかソースとか。そっちのほうが好きですね。

焼肉のときもスイーツで締めますか?

最後は絶対、スイーツにいきますね。甘いものを食べずに終わることはまずないです(笑)。焼肉屋さんだとアイスで締めることが多くなりますね。

スイーツを前に、満面の笑み。

……ボートレーサーになってから食事についてはずいぶん勉強もしたようだ。体重などを自分でコントロールしていかなければならない仕事だからこそ、以前よりも食べることが好きになり、“食べる幸せ”を感じられている。だからこそ勝ちメシから元気をもらえているのだろう。

インタビューの様子をダイジェスト動画でご紹介。ぜひ、ご覧ください!

大山 千広(おおやま・ちひろ 1996年2月5日生)

登録番号4885 身長161cm 116期 福岡県出身 福岡支部所属
2015年のデビュー。当時は母娘レーサーとして話題になったが(母親の大山博美元選手は現在、解説者として活躍)、すぐに新人離れした実力を発揮!2017年に初優勝。2018年にはプレミアムGⅠヤングダービーで優出。2019年にはプレミアムGⅠレディースチャンピオンで史上最年少優勝を果たした。