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お宝レーサー狙い目レーサーをピックアップ!

第34回 2021年4月版

F2から復活して初A級目前

 原村拓也は大手医薬品卸会社のサラリーマンから転身を遂げた脱サラレーサー。社会人経験者だけに、業界ではルーキーと言えどもすでに30歳だ。焦りはなくとも、同じ歳のレーサーでも記念クラスとして戦っている選手も多く、その心中は察せられる。早く上位グループに食い込みたいところだろう。
 デビュー以来なかなか成績を引き上げられなかったが、2019年にはレース慣れもあり、着を拾えるようになって勝率を1点以上アップさせた。ところが夏場にフライングを切りリズムを崩す。さらに、逸る気持ちもあってか、2020年1月末の若松ルーキーシリーズの最終日にフライング、2節後の3月福岡でもフライング。立て続けのフライング事故で失意のF2になってしまった。悪夢のフライング休み90日を強いられたのだ。
 しかし、休み明けから、心機一転のリセット! スリットで出し抜くほどの早いスタートは鳴りを潜めたが、焦りや迷いがなくなり、妙なクセが抜けて、実にルーキーらしい走りをみせている。得意なのは、待って狙って抉り込ませるまくり差し。これが決まる機会も増えてきて、勝率を一気に上げてきている。
 4月12日時点の来期適用勝率は5.78。A2級のボーダーラインをクリアしている。まだまだ気の緩みなど寸分も許されない状況だが、社会人経験もある原村には平常心の大切さが身についているはずだ。期末まで走り抜き、初のA級昇級を掴むものと確信する。

SGウィナーを彷彿とさせる差し技

 久永祥平の前職は、なんとイタリアンシェフ。高校時代の友人である大塚康雅(116期)の影響を受け、3度目の受験で合格し、122期生としてボートレーサー養成所に入所した。
 養成所での成績はいたって平凡。リーグ戦でも優出することなく修了している。同期の中でも決して突出する存在ではなかった。しかし、ここのところ同期生が活躍しており、久永もそれに触発されたのか、近況はかなり勝率を伸ばしている。
 久永のレーススタイルは、「握れる差し屋」。ただ、同タイプの選手とは少々違いがあって、それは差しターンの初動の位置。1マークで攻めることができそうな隊形のときの差しは、ほんの一瞬の溜めが見られるのだ。狙ってやっているのかどうかは定かではないが、これが絶妙。もちろんレベルに差はあるが、SGウィナーの坪井康晴のターンを連想させるものだ。
 このターンが、現在の勝率アップにつながっているのだろう。前期勝率は3.53だったが、今期は4月12日現在で4.72まで押し上げているのだ。スリットで出し抜けるほどスタートが早いほうではないが、道中も決してあきらめず、格上レーサー相手でも先マイ仕掛けや内からのおっつけなど、奮闘が見られる。今年後半もこのハンドル捌きを駆使して、芯の強いレースを見せてもらいたい。先を行く同期生たちに追いつけ追い越せ、だ。

赤丸急上昇の元劣等生

 124期25人中、養成所でのリーグ戦勝率は一番下。ギリギリすれすれの劣等生だったのが、大石真央だ。
 2019年5月23日にデビュー、丸一年間はオール6コースでレースを学び、経験を積んだ。その間フライング事故も2度あり、ほぼ6着を重ねている。3着がわずかに1本。養成所時代の成績がデビュー後にも続いているような新人時代だ。20年10月から内寄りコースを解禁したあたりから徐々に入着の回数が増え始めたのだが、初勝利はさらに時間がかかる。年末の住之江開催、デビューから244走目にイン逃げでようやく水神祭を果たしている。
 そしてその初勝利が呼び水となった。近況はあれよあれよと勝率を伸ばしているのだ。前期勝率は2.18だったものが、4月12日時点で来期勝率は3.72! 素晴らしい上昇度である。
 1マークや道中戦での冷静さ、判断力の向上がその原動力だろう。3月びわこの男女混合戦では、GⅠウィナー三井所尊春の先まくりの展開を見据えて、大胆なまくりハンドルで2着。同じ節で、新鋭王座チャンプの松尾昂明のまくり展開を見据えて、まくり差しハンドルを決めて1着をもぎ取った。このレースぶりはまさに成長の証し!
 課題はスタートで、常に慎重になりがち。全速で1艇身(コンマ15)という場面すら珍しいのだが、これは経験を積めば克服できるはず。そのうえで一瞬の判断力とハンドルワークを磨いていけば、さらなる成長は必至である。

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